3Dプリンター NEWS

世界の3Dプリンターニュースを一年365日毎日更新
日本にいながら世界の最新情報をキャッチ

セカプリWEBサイト
2024年4月10日 サンフェッド・ミートが事業を停止
ニュージーランドの新興系代替肉メーカーのサンフェッド・ミート(Sunfed meats)が事業を停止した。ニュージーランド現地メディアの報道によると、サンフェッド・ミートは現地時間の2024年4月8日に発信したプレスリリースを通じて、運営するすべてのショップの事業停止と、小売店などへのサプライチェーンに対する製品の供給を停止すると発表した。 サンフェッド・ミートのシャマ・スカル・リーCEOも、現地時間の4月8日付けでサンフェッド・ミートのすべてのオペレーションを停止すると自らのフェイスブックとX(旧Twitter)のアカウントで発表した。 サンフェッド・ミートは2015年設立の代替肉メーカーで、主に黄色えんどう豆を原料のした代替肉を製造していた。同社の「チキン・フリー・チキン」は地元ニュージーランドに加えて隣国のオーストラリアでも販売され、一定のリピート客を確保していた。 リーCEOは経営破綻の原因について、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大とそれによるグローバルサプライチェーンの低迷、および昨今の世界的なインフレーションのトレンドによる原料価格や人件費の高騰を挙げている。また、昨今の代替肉メーカーに対するベンチャーキャピタルなどの投資熱についても触れ、「代替肉メーカーのゴールドラッシュは終わりを迎えた」とコメントし、投資家の投資熱の低下が資金調達に影響したとの考えも示した。
2024年4月9日 フィラメンティブが3Dプリンティング廃材リサイクルサービスを開始
イギリスの3Dプリンター用フィラメントメーカーのフィラメンティブ(Filamentive)が、3Dプリンティング廃材リサイクルサービスを開始した。イギリス現地メディアの報道によると、フィラメンティブは自社製品の購入ユーザーを対象に自社製品の使用から生じた廃材を回収し、リサイクルやアップサイクルを行うとしている。 フィラメンティブのマネージングディレクターのレヴィ・トーア氏は、「3Dプリント廃材のほとんどはリサイクルされておらず、我々はその状況を変えるべきだと思い続けてきました。今回開始するリサイクルサービスは、我々のユーザーに無料でリサイクルボックを提供し、特にPLAプリンティングで生じる廃材を埋立地に送りつけるのを回避する機会を提供します」とコメントしている。 フィラメンティブのリサイクルサービスでは、自社製品を500ポンド(約95,000円)以上購入したユーザーに45リットル入りのリサイクルボックスが貸与される。ユーザーは廃材をリサイクルボックスで保管し、一杯になったらフィラメンティブの指定パートナーへ持ち込む仕組み。 フィラメンティブによると、一般的なFDM方式の3Dプリンティングにおいては、購入されたフィラメントの33%が廃材として処分されているという。処分される廃材の量は、イギリス国内だけでも年間400トンに及ぶとしている。
2024年4月8日 カナダ政府が新建設技術開発に6億カナダドル規模の助成金を予算計上
カナダ政府が、新建設技術開発に6億カナダドル(約600億円)規模の助成金を予算計上するとして話題になっている。カナダ現地メディアの報道によると、カナダのジャスティン・トルドー首相は、現在カナダの各主要都市で深刻化している住宅不足問題を解消するために、建設3Dプリンティングを含む新建設技術開発を支援するため、600億ドル規模の総合助成金パッケージを用意するとしている。 トルドー首相は公式声明の中で、「カナダでは現在、住宅建設の方法が変わろうとしています。今年2024年度の国家予算では、イノベーションとテクノロジーを用いた新たな建設アプローチを支援するための予算を盛り込みます。住宅をより簡単に、よりコスト効率よく、スピーディーに建設するためのイノベーションとテクノロジーに対してです。カナダ国民は、愛する地元のコミュニティにおいて、手頃な価格で住宅を購入できるようにするべきです」と説明している。 住宅不足が社会問題化しているカナダでは、建設3Dプリンターの活用が静かに広がっている。先日はカナダ・トロント郊外に北米大陸初の三階建て居住用アパートメントが建設3Dプリンターで建設され、大きな話題となった。
2024年4月7日 Velo3Dの受注残が2700万ドルに拡大
アメリカの大型3DプリンターメーカーのVelo3Dが、2023年12月から今日現在までに受注した受注残が2700万ドル(約40億5000万円)に達していると明らかにした。大手コントラクト・マニュファクチャーラーのミアーズ・システムズからのサファイアXCシステムの受注などが受注残増を後押ししたとしている。ミアーズ・システムズは、防衛・航空宇宙分野におけるアディティブ・マニュファクチャリング技術の活用を広げているとされている。 Velo3Dのブラッド・クレガーCEOは、「これらの新規のオーダーは、我々の技術に対する信頼の証であり、我々のゴートゥーマーケット戦略の成功を補強するものです。システムへの信頼性やカスタマーサクセスにフォーカスすることは我々にとって大きな励みになります。また、オーダーの50%は既存ユーザーからのリピートオーダーです。いずれも我々の最先端のメタル・アディティブ・マニュファクチャリング技術を巧みに利用しているユーザーです」とコメントしている。 Velo3Dは先日2023年度通年決算を発表している。それによると、同社の2023年度の売上高は7760万ドル(約116億4000万円)で、前年の8080万ドル(約121億2000万円)から若干のマイナスとなった。経常収支は1億3500万ドル(約202億5000万円)の大幅な赤字だった。
2024年4月6日 ステークホルダー・フーズがアメリカ市場で3Dプリント肉・魚の販売を開始
シンガポールの3Dバイオプリンティング企業のステークホルダー・フーズ(ミーテックから社名変更)が、アメリカ市場で3Dプリント肉・魚の販売を開始する。 アメリカ現地メディアの報道によると、ステークホルダー・フーズは自社の3Dプリント肉・魚の安全性を保証するGRAC(Generally Recognized as Safe)登録をアメリカFDA(Food and Drug Administration)に申請、受理された。ステークホルダー・フーズは、間もなくスーパーマーケットなどの小売店での自社製品の販売を開始したいとしている。 ステークホルダー・フーズのアリク・カウフマンCEOは、「アメリカ市場で我々の3Dプリント肉・魚の販売を開始することで、フードテクノロジーの最先端に自らを置くことが可能になります。我々の最新の3Dプリンティング技術は単なるイノベーションにとどまらず、サステナビリティと健康を守るためのコミットメントでもあります。消費者によりよい選択肢を提供し、美味しいだけでなく地球の環境保護の責任をシェアする手段を提供します。アメリカ市場への進出が、より健康的でサステナブルな未来をつくる重要なステップになることを願っています」とコメントしている。 ステークホルダー・フーズは、主に生細胞を培養したバイオインクをベースに牛肉や魚肉などの代替肉を3Dプリントしている。
2024年4月5日 ウォーラーズ・アソシエイツが「ウォーラーズ・レポート2024」をリリース
アメリカのアディティブ・マニュファクチャリング関連コンサルティング企業のウォーラーズ・アソシエイツが、「ウォーラーズ・レポート2024」をリリースした。年次ベースで発刊されている「ウォーラーズ・レポート」は、創刊から今年で29年目を迎えた。 「ウォーラーズ・レポート2024」では、全世界のアディティブ・マニュファクチャリング産業が史上初めて200億ドル(約3兆円)規模に到達したとしており、編集長のテリー・ウォーラーズによると、「全世界のアディティブ・マニュファクチャリング市場は、実際には200億ドルよりも大きい可能性が非常に高い」としている。特に、多くの公的機関や民間企業などによるアディティブ・マニュファクチャリングへの研究開発的投資の一部が統計に含まれていない可能性が指摘されている。 カテゴリー別では、特にメタル3Dプリンターの出荷が伸びており、2023年度におけるメタル3Dプリンターの伸び率は対前年比で24.4%のプラスになったとしている。 ウォーラーズ・アソシエイツは、世界で最も権威あるアディティブ・マニュファクチャリング関連コンサルティング企業として知られている。また、ウォーラーズ・アソシエイツは、2021年11月に世界最大の国際標準化・規格認定機関のASTMインターナショナルに買収され、現在は同団体傘下で活動している。
2024年4月4日 ファイアーストーム・ラブズが1250万ドルの資金調達に成功
米カリフォルニア州に拠点を置く新興ドローンメーカーのファイアーストーム・ラブズ(Firestorm Labs)が、1250万ドル(約18億7500万円)の資金調達に成功した。出資したのは大手航空機メーカーのロッキードマーティン傘下のベンチャーキャピタルのロッキードマーティン・ベンチャーズを筆頭とする投資シンジケート。バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。 ロッキードマーティン・ベンチャーズに加え、ディサイシブ・ポイント、サイレント・ベンチャーズ、645ベンチャーズ、オーバーマッチ・ベンチャーキャピタル、BVVC、キュービット・キャピタル、アイアンゲート、バックスイング・ベンチャーズ、米退役軍人ファンド、フェルド・ベンチャーズ、ビヨンドキャピタルなどのベンチャーキャピタルも投資している。 ファイアーストーム・ラブズのダン・マギーCEOは、「ファイアーストーム・ラブズの直近の資金調達は、我が社が進むべき道を進み、アメリカの貿易産業が求める前線のニーズに対応するためのリソースを確保するためのものです。防衛産業における画期的なマニュファクチャリングモデルを構築してまいります」とコメントしている。 ファイアーストーム・ラブズは、2022年設立の新興ドローンメーカー。3Dプリンターなどを活用し、小型無人航空機などのUAVを製造している。
2024年4月3日 クウェートに世界初の3Dプリント・ウォータータンクが登場
クウェートに世界初の3Dプリント・ウォータータンクが登場したとして話題になっている。現地メディアの報道によると、ウォータータンクは地元の建設企業のアビヤン社が建設したもので、デンマークの建設3Dプリンターメーカーの建設3Dプリンター「COBOD2」を使って建設されたという。ウォータータンクは、クウェート・ユナイテッド鶏肉農園へ納入され、ニワトリの飼育に使われる予定。 直径7メートル、高さ4.5メートルのウォータータンクの建設にかかった日数は五日間で、マイクロファイバーを配合した複合コンクリート資材で建設されたとしている。アビヤン社によると、建設3Dプリンターを活用することで従来型の建設方法よりも建設資材の使用量を25%程度削減できたとしている。 プロジェクトに参加したCOBODインターナショナルの創業者でジェネラルマネージャーのヘンリック・ランド-ニールセン氏は、「アビヤンは、建設業界の真のイノベーションを求めており、タンクのウォールに補強材を使わずに強度を確保する方法を模索していました。これは難しいチャレンジでしたが、セメントメーカーのセミックス社の協力もあり、素晴らしいソリューションを生み出すことができました」とコメントしている。