3Dプリンター NEWS

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2025年10月19日 iロケットがVelo3Dのサファイアシリーズ3Dプリンターを導入
アメリカの新興系ロケットメーカーのイノベーティブ・ロケット・テクノロジーズ(iロケット)が、アメリカの大型3DプリンターメーカーVelo3Dの主力製品「サファイアシリーズ3Dプリンター」を導入して話題になっている。報道を受け、NASDAQで取引されているVelo3Dの株価は一時前日比で25%上昇した。 アメリカ現地メディアの報道によると、iロケットはVelo3Dの「サファイアシリーズ3Dプリンター」と「ラピッド・プロダクション・ソルーションズ・プラットフォーム」を導入し、自社のロケット本体やロケットエンジンの製造に使うとしている。iロケットは、再生利用可能なロケットを開発しており、ロケット打ち上げに必要な消耗部品などの製造をVelo3Dの3Dプリンターで行うものと見られている。 Velo3Dは、昨年2024年にニューヨーク証券取引所を上場廃止となった後、QTCQXベストマーケットへ市場変更をした。その後ンディアナポリスに拠点を置くアディティブ・マニュファクチャリング用メタルパウダーメーカーのアレイド・アディティブがVelo3Dの発行済み株式の95%を取得して子会社化していた。Velo3Dはその後、2025年8月22比へQTCQXベストマーケットからNASDAQへ再上場した。
2025年10月18日 プロッドウェイズが2025年度第3四半期決算を発表
フランスの3Dプリンターメーカーのプロッドウェイズが、2025年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中(2025年7月~9月)の売上高は1200万ユーロ(約21億円)で、前年同月比で6%のマイナスとなった。システムズ部門の売上高が対前年比で4%のプラスとなったおものの、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)部門とプロダクト部門の売上高が落ち込み、全体を引っ張る結果となった。販売市場別ではドイツ国内の売上高が大きく落ち込み、同社の主力市場であるフランス市場の売上高を侵食したかたちとなった。 プロッドウェイズの2025年度通年(2025年1月~9月)の売上高は3990万ユーロ(約69億8250万円)で、前年比で9%のマイナスとなった。 プロッドウェイズはプレスリリースで、「2025年度のこれまでの売上高の状況から、2025年度年間売上高も、前年比で若干のマイナスになると見込んでいます」とアナウンスしている。 プロッドウェイズは2013年設立のフランスの工業用3Dプリンターメーカー。独自開発したムービングDLP技術を使ったSLA方式のハイエンド3Dプリンタ-などを製造している。
2025年10月17日 イギリスで七歳の女の子が3Dプリンターで製造したキャラクターフィギュアを販売
イギリスで七歳の女の子が3Dプリンターで製造したキャラクターフィギュアを販売しているとして現地で話題になっている。イギリスの公共放送BBCは、イギリスのノリッチに住むリラちゃんが自分でデザインしていたキャラクターフィギュアを3Dプリンターで出力し、オンラインサイトで販売していると報じている。 BBCによると、リラちゃんはフィラメントなどの材料を最大3ポンド(約600円)程度で入手し、製造したキャラクターフィギュアをひとつ8ポンド(約1600円)で販売しているという。なお、販売で得た収入は、子供でも利用可能なオンラインバンキング口座へ入金して貯金しているという。リラちゃんの父親でグラフィックデザイナーのサイモンさんは、「昨年の夏、メーカーを対象にしたモノ作りフェアにリラを連れていったところ、そこで販売されていた3Dプリンター製のドラゴンのフィギュアを見て触発されたようです。私自身もいくつか購入して、製作者とオンラインチャットなどをして情報を集めました。リラと話し合った結果、これなら自分たちも自宅で同じようなものが作れるという話になったのです」と説明している。 自分で稼いだお金をどうするのかという質問に対し、リラちゃんは「稼いだお金は、いつかラブブやテディーズのキャラクターフィギュアを買うのに使いたいです」と答えている。
2025年10月16日 ミーガン・マララ氏がヤングスタウン・イノベーションハブのディレクターに就任
ミーガン・マララ氏が、アメリカの著名スタートアップインキュベーション施設のヤングスタウン・イノベーションハブのディレクターに就任する。マララ氏は、特にセンターの航空宇宙と防衛関連のスタートアップ企業の育成に尽力する。マララ氏は、前職でオハイオ州立大学センター・フォー・デザインアンドマニュファクチャリングエクセレンスのメディカルモデリング担当ディレクターを務め、同センターから医療系スタートアップ企業輩出の一翼を担った。マララ氏はまた、アメリカ下院議会の正規フェローを務め、医療、STEM教育、医療ファイナンスなどに関するアメリカの重要な政策作りのための提言などを行ってきた。 ヤングスタウン・イノベーションハブのCOO兼バイスプレジデントのジム・フィッシャー氏は、「ミーガンは技術的な経験と業界のリーダーシップを当センターで大いに発揮してくれることでしょう。彼女のビジョンとトラックレコードはイノベーションを大きなスケールで加速させ、防衛セクターのサプライチェーンやワークフォースマネジメントなどで真価を見せてくれると信じています」とコメントしている。 ヤングスタウン・イノベーションハブはオハイオ州ヤングスタウンにある公立のスタートアップ企業育成機関。これまでに3Dプリンティング関連企業を含む多数のスタートアップ企業を育て上げてきている。
2025年10月15日 3Dフュールがアメリカ国内の製造能力を拡大
アメリカの3Dプリンター用フィラメントメーカーの3Dフュール(3D-Fuel)が、アメリカ国内の製造能力を拡大する。同社の発表によると、3Dフュールはノースダコタ州ファーゴにある本社兼工場のうち工場の規模と能力を拡大し、製造能力を向上させるとしている。 製造能力の拡大に合わせて、3Dフュールは製品価格も値下げする。現時点では、スタンダードPLAを13.2%、タフ・プロPLAを5.6%、プロPETGを17%、プロPCTGを25%、それぞれ値下げする。3Dフュールの共同創業者でCEOのジョン・シュナイダー氏は、「これからは年中休みなしで製品を製造します。24時間稼働でフィラメントを製造するのみならず、製造ボリュームも大きく増加させます。アメリカの原料サプライヤーと密接に協業してコストを削減し、製品価格の値下げを実現させます」とコメントしている。 アメリカではトランプ第二次政権が掲げる関税政策の影響により、世界各国からの輸入品の価格が軒並み上昇し続けている。アメリカの製造業は、国内回帰および国内生産がトレンドになりつつあり、今回の3Dフュールの動きも、それに歩調を合わせたものとして関係者に受け止められている。
2025年10月14日 全世界のアディティブ・マニュファクチャリング市場が2025年第2四半期で39億ドル規模へ拡大
全世界のアディティブ・マニュファクチャリング市場が、2025年第2四半期で39億ドル(約5850億円)規模へ拡大したとアメリカの市場調査会社が伝えている。アディティブ・マニュファクチャリング・リサーチがまとめたレポート「2025年度アディティブ・マニュファクチャリング・市場データ・予測」によると、全世界のアディティブ・マニュファクチャリング市場は前年同月比で8.8%成長し、同規模へ拡大したとしている。 同期間中、アメリカの3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルや、スペインの3DプリンターメーカーのBCN3Dの経営破綻などに見舞われたが、グローバルレベルでは順調な成長ぶりを見せつけた結果となった。 アディティブ・マニュファクチャリング・リサーチのエグゼクティブバイスプレジデントのスコット・ダンハム氏は、「2026年へ向けてアディティブ・マニュファクチャリング市場がエキサイティングな方向へ向き始めています。以前のような爆発的な成長は見込めないものの、今後数年にかけて業界の成長を固めるいくつかの重要なピースが整い始めています」とコメントしている。 アディティブ・マニュファクチャリング・リサーチは、レポートの概要を2025年11月13日開催のオンラインウェビナーで配信する予定。
2025年10月13日 ビヨンド・ミートの株価が上場来最大の下落
アメリカの代替肉メーカーでNASDAQ上場のビヨンド・ミートの株価が、上場来最大の下落幅を記録し、1ドル台スレスレまで落ち込んでいる。アメリカ現地時間の2025年10月10日金曜日、NASDAQで取引されているビヨンド・ミートの株価が急落し、1.03ドルで取引を終えた。10月10日時点で年初株価から70%を超える下落幅となった。ある株式市場関係者は、ビヨンド・ミートが予定している債務スワップ(Debt for Equity Swap)により、新たに3億1600万株を発行する見込みであることから同社株価の希薄化が進むと判断した投資家の失望売りが広がっていると分析している。 債務スワップを実行することで借入金などの負債を圧縮できるメリットがある一方、株主価値の希薄化が進み結果的に株価の下落を招くデメリットが指摘されている。 ビヨンド・ミートの株価は六年前のIPO直後に急騰し、一時は時価総額140億ドル(約2兆1300億円)に達していた。しかし、代替肉ブームの終焉などによる消費者離れなどの結果、同社株価は下落を続け、ついに1ドル台スレスレにまで落ち込んだ。 株価の低迷と業績の悪化などを受けて、ビヨンド・ミートは一部従業員のレイオフなどを含む事業再構築計画を発表している。
2025年10月12日 オーストラリアのロボット建設3Dプリンターが住宅を一日で建設
オーストラリアのロボット建設3Dプリンターが、住宅をわずか一日で建設したとして話題になっている。 オーストラリアのロボットメーカーのクレスト・ロボティクスとアースビルド・テクノロジーが共同で開発したロボット建設3Dプリンター「シャーロット」(Charlotte)は自走式ロボットで、自ら移動しながらロボットアームでコンクリート素材を吐出して住宅やオフィスビルなどを建設する。開発した両社によると、「シャーロット」は2150平方フィート(約199.74平方メートル)の平屋建て住宅を、わずか1日で建設できるという。現在世界各地で使われている建設3Dプリンターは、建設現場に固定されて使用されるか、工場内に設置されて使われている。そのため、建設3Dプリンターを稼働させるために相応のスペースが必要とされ、場所によっては使用できないケースもあるとされる。 一方、建設3Dプリンターが自走できれば固定式の建設3Dプリンターのようにスペースを必要とせず、ある程度自由に稼働することが可能になる。また、プリントスピードも相応に速くなるため、建設にかかる工期と人件費などのインプットの削減が可能になる。 オーストラリアでは住宅不足を背景に各地で建設3Dプリンターが使われ始めてきており、「シャーロット」が現場でどの程度プレゼンスを拡げることができるか関係者の関心を集めている。