3Dプリンター NEWS

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2024年7月24日 ビヨンド・ミートが債権者集団と債務リストラクチャリング計画の協議を開始
アメリカの代替肉メーカーでNASDAQ上場のビヨンド・ミートが、債権者集団と債務リストラクチャリング計画の協議を開始した。アメリカの大手経済紙ウォールストリートジャーナルが報じたところによると、ビヨンド・ミートの社債や転換社債などの債務は今日までに総額11億ドル(約1727億円)に達しており、債権者の中にはビヨンド・ミートの返済能力を危ぶむ者も出てきているという。ビヨンド・ミートはオペレーティングキャッシュがマイナスの状態が続いており、2022年度の一年間で4億ドル(約628億円)のキャッシュを失ったと見られている。 別の現地メディアのインタビューに対し、ビヨンド・ミートのイーサン・ブラウンCEOは、ビヨンド・ミートは第四世代となる代替肉製品の新シリーズをリリースしており、今後オペレーティングキャッシュがプラスに転じる見込みだとしている。また、今年2024年の見通しについては、「2024年は、我々がサステナブルで利益が確保できる年に転換できる重要な一年になる」とのコメントを寄せている。 ウォールストリートジャーナルの報道を受けて、NASDAQで取引されているビヨンド・ミートの株は、IPO後最安値となる一株6.13ドルにまで下落している。
2024年7月23日 ウクライナで戦争遺族のための住宅が3Dプリンターで建設
ウクライナで戦争遺族のための住宅が3Dプリンターで建設され、話題になっている。ウクライナ現地メディアの報道によると、ウクライナの都市イルピンに建設された3Dプリント住宅は平屋建てで、ロシアとの戦争で戦死したヤロスラブ・ベレゾフさんの遺族に供されるもの。ベレゾフさんの自宅はロシア軍による二発のミサイル攻撃を受け、全壊していた。現地メディアは、今回のプロジェクトにはウクライナ出身の住宅デザイナー、設計士、素材メーカー、内装業者、家具ディーラー、家電販売店などの多くの人がボランティアで参加したと伝えている。 3Dプリント住宅の建設には72トンの特殊即乾コンクリートが使われ、58時間かけて建設されたという。建設3Dプリンターはウクライナの地元建設企業3D UTUが提供した。3D UTUは、ウクライナで初めて3Dプリント住宅を建設した企業として知られている。 2022年2月24日のロシア軍によるウクライナ領土への侵略で始まったロシア・ウクライナ戦争は、2年を越えた現在も終結する兆しを見せていない。イギリスBBCは、ロシア・ウクライナ戦争でこれまでにロシア軍兵士14万人が戦死、ウクライナ軍兵士3万1千人が戦死したと推計している。
2024年7月22日 ICONがテキサス州ウィンバリーに8ユニットの3Dプリント住宅コミュニティを建設
アメリカ・テキサス州に拠点を置く建設3Dプリンターメーカーで3Dプリント建設企業のICONが、テキサス州ウィンバリーに8ユニットの3Dプリント住宅コミュニティを建設する。建設される3Dプリント住宅はシングルファミリー用平屋建て住宅で、延床面積2800平方フィート(約260.12平方メートル)から4000平方フィート(約371.61平方メートル)、最低価格は80万ドル(約1億2560万円)となっている。デザインは協力会社のBjarke Ingels Groupが担当した。3Dプリント住宅にはICONが開発した新混合セメント「カーボンXマテリアル」が使用されている。カーボンXマテリアルはアメリカ環境保護庁(EPA)が定める住宅エネルギーレーティングシステムで40から55ポイントを記録、従来型の住宅よりも45%から60%高い数字となっている。ICONによると、「カーボンX」は「スケールで採用される住宅建設資材で、最もカーボンエミッションの排出量が少ない」ことを特徴としている。 ICONは2023年6月にもテキサス州オースティンで6ユニットの3Dプリント住宅を販売している。いずれもICONが開発したヴァルカン建設3Dプリンターで建設され、価格は47万5千ドル(約7457万円)から50万ドル(約7850万円)となっている。
2024年7月21日 カナダ・ラングレー在住の男が3Dプリント銃製造の疑いで逮捕
カナダ・ブリティッシュコロンビア州近郊の街ラングレー在住の男が、3Dプリント銃製造の疑いで逮捕された。カナダ現地メディアの報道によると、カナダ国境サービス庁に逮捕されたのはラングレー在住のブロディ・アレキサンダー・マクドナルド。カナダ国境サービス庁がマクドナルドの自宅を捜索したところ、銃弾が装填された3Dプリント19㎜セミオートマチックピストル、3Dプリントローワーレシーバー銃、3Dプリント銃用サプレッサーなどが発見されたという。カナダ国境サービス庁は、2022年12月頃からマクドナルドがバンクーバー市内のバンクーバー国際郵便局で3Dプリント銃用部品と思われる包装物を受け取っている目撃情報を受け、調査を行っていたという。 関係者によると、マクドナルドは違法銃火器の保有および売買、弾薬入り銃火器の保有などの罪で起訴される見通しだという。 カナダは銃規制がアメリカよりも厳しいことで知られ、銃火器の保有には使用許可証の取得が求められている。また、銃火器の保有資格者は18歳以上で、銃火器安全講習を受講の上、保有する銃火器をそれぞれ登録する必要がある。3Dプリント銃などの違法銃の製造や所有は禁じられている。
2024年7月20日 Velo3Dがニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知を再度受領
アメリカの大型3Dプリンターメーカーのelo3Dが、ニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知を再度受領した。Velo3Dは今年2024年1月にも、Velo3Dのニューヨーク証券取引所での取引価格がニューヨーク証券取引所が定める最低基準を満たしておらず、株主に損害を与える可能性があるとして上場基準不適合通知を受領していた。アメリカ現地メディアの報道によると、Velo3Dは2024年7月8日、ニューヨーク証券取引所で取引されているVelo3Dの時価総額が3560万ドル(約55億8920万円)と低迷しており、また、株主の総負債額も4550万ドル(約71億4350万円)に達しておりニューヨーク証券取引所が定める上場基準を満たしていないとする内容の通知書を受け取った。Velo3Dは、通知の受領日から45日以内に上場基準を満たす必要がある。 ニューヨーク証券取引所は、昨年2023年11月29日にニューヨーク証券取引所上場の3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルに対しても、ニューヨーク証券取引所が定める最低基準を満たしていないなどの理由で上場基準不適合通知を送付している。ニューヨーク証券取引所は、さらに、別のアメリカの3Dプリンターメーカーのマークフォージドに対しても上場基準不適合通知を送付している。
2024年7月19日 マクドナルドがビヨンド・ミートのパイロットプログラムが「失敗」と発表
大手ハンバーガーファストフードチェーンのマクドナルドが、アメリカの大手代替肉メーカーのビヨンド・ミートと行っていた代替肉を使ったハンバーガー販売のパイロットプログラムが、「失敗」に終わったと発表したと複数の現地メディアが報じている。マクドナルドは、サンフランシスコベイエリアとテキサス州ダラス・フォートワースエリアの600の店舗を中心に、2022年からビヨンド・ミートの代替肉を使った「マックプラント・バーガー」のテスト販売を行っていた。マクドナルドによると、ベジタリアン人口が比較的多いとされるサンフランシスコベイエリアにおいても「マックプラント・バーガー」に対する需要は限定的であったとしている。 マクドナルドが「マックプラント・バーガー」のテスト販売を中止したことで、株式市場関係者の多くは、ビヨンド・ミートの代替肉に対する消費者ニーズが限定的であることが改めて示されたとしている。 実際のところ、ビヨンド・ミートの直近の四半期決算(2024年1月から3月末)では、ビヨンド・ミートの米国内フードサービス用代替肉の出荷量は対前年同期比で21%減少し、220万ポンド(約10億キログラム)にとどまっている。
2024年7月18日 フォームラブズがマイクロニクスを買収
米マサチューセッツ州に拠点を置くSLA3Dプリンターメーカーのフォームラブズが、スタートアップ系SLS3Dプリンターメーカーのマイクロニクス(Micronics)を買収する。買収方法やバリュエーションなどの詳細については明らかにされていない。マイクロニクスは、価格3000ドル(約41万1000円)の低価格SLS3Dプリンター販売のキックスターターキャンペーンを開始し、全世界で431人のバッカーから総額135万7939ドル(約2億1949万円)の資金を集めていた。キックスターターキャンペーンでの好調ぶりを見て、フォームラブズがキャンペーンごと買い取る意思決定をしたものと見られる。 マイクロニクスはキックスターターのオフィシャルサイトで、「数週間前、我々はインダストリアルレベルのSLS3Dプリンターをお届けするキャンペーンを立ち上げました。本日、そのミッション実現のためにフォームラブズへ合流することをお伝えします。これにより、キックスターターキャンペーンは中止となりますが、キックスターターでお約束したプレッジはすべてそのまま引き継いで守られます。フォームラブズのプロジェクトとして、改めて仕事を再開する予定です」と説明している。 なお、本記事執筆時点、マイクロニクスのキックスターター公式サイトでは、同プロジェクトのステータスは「キャンセル済み」となっている。
2024年7月17日 マントルが2000万ドルの資金調達に成功
サンフランシスコに拠点を置く精密メタル3Dプリンターメーカーのマントルが、シリーズC投資で2000万ドル(約31億4000万円)の資金調達に成功した。出資したのはベンチャーキャピタルのスクーナー・キャピタルを筆頭とする投資シンジケートで、ファインストラクチャー・ベンチャーズ、ファウンデーション・キャピタルなどの多くの既存株主が追加で出資した。バリュエーションなどの詳細については明らかにされていない。 今回の資金調達により、マントルが調達した資金の総額は6150万ドル(約84億2550万円)となった。マントルは、調達した資金をマーケット拡大や製造能力のスケーリングに投じるとしている。 マントルの共同創業者でCEOのテッド・ソロム氏は、「昨今明らかになったグローバルサプライチェーンの脆弱さは、必要な部品が必要な時に入手できないといった深刻なリショアリングの欠点を浮き彫りにしました。製造拠点をアメリカ国内に維持することで高騰する製造コストを抑制し、リードタイムを大幅に削減することが可能になります。これは、アメリカのモノづくりにとって画期的なソルーションです」とコメントしている。マントルは2015年にスタンフォード大学出身のジェームズ・グローブズ、スティーブン・コナーらが設立したメタル3Dプリンターメーカー。マントルのメタル3Dプリンターは、ツーリングや射出成形用モールドの製造などに使われている。